これは、全国から寄せられるチューンナップの司令塔です。
司令塔と言っても、自分に指示して自分で実行ですが。
そしてこれ、木製部分は手作りです。
上下二段の台のカーブに具体的な意味は乏しいです。
しかし作業への思い入れに満ちています。
計測と立案と緻密な作業はここでやります。
右奥の扉の向こうが工房で、万力台,ウレタン成型装置,丸ノコ盤,コンプレッサー,エアガン,ボール盤などがあります。
司令塔の主要構成は三つです。
中央: 動的バランス(スウィングウェイト)測定器。
左: 0.1g精度の計量器。
スライド棚: 静的バランス測定器。
作業台の下は各種工具が詰まったロールキャビネットです。
チューンナップ立案に三測定器を何度も行ったり来たりします。
一本のチューンナップに百回を超えることも珍しくありません。
動的バランスの数値目標kg:㎠を実現するレッド(鉛)テープのgと位置の案は無数にあるからです。
複数本のスペックを揃える場合、数値が揃うだけで打ち味は揃いません。
良い打球感も得られません。
グリップ内蔵ウェイトの量と位置の差が極力小さくなる動的バランスとの組合せを追求します。
最近、ここに立たない日が無くなりました。
全国からの新規発注が増えました。
リピーターも二度目三度目と増えています。
新規の方のために、お客様の声を載せることも検討しました。
しかし中断しています。
注文が殺到しても困りますから。
また私には”美しくなければ道具じゃない”のポリシーがあります。
レッドテープをフレームに貼り付けるのは本校生徒のテスト段階だけです。
外から見えないようにグロメットやバンパー下に格納します。
見えないレザー下のウレタング切削痕の仕上にもこだわります。
よって、ガットを切ることをチューンナップに出す最低条件としてください。
※ガットを切るのはデータ収集後、当店でやります。
なお、初めての方は一回でベストを得ようと思わないでください。
“チューンナップごとに豹変する”と言っても過言ではない変化を楽しんでください。
もちろん、漠然としたご要望でも、過去のチューンナップ実例と当教室のジュニア〜ママさんの声に照合して、スペックを設定させて頂きますが。
私に言わせたら、試打なんて、大まかな選別以外に意味がありません。
お迷いの方はチューンナップの世界に一歩足を踏み入れる決意をしてください。
試打とガット張りでラケットを選ぶことのビギナー性に気付くはずです。