新CXシリーズは剛性10%ダウンとスロートへの制振ゴム内蔵の効果で随分打感が柔らかくなりました。
CX400ツアーを先に打つと『うん?これCX200?』とロゴを確認してしまいました。
CX200を次に打つと『あぁ 柔らかい!!』と思います。
旧CX200は旧CX200TOURと比べて硬いと感じるところがありました。
しかしそれは面剛性と彈きを優先した設定だと思い、不快というほどではありませんでした。
新CX200は旧CX200TOURの打感を身につけ、それでいて98inch²の飛びがあるわけです。
このCX200の進化を歓迎する声は多いでしょう。
ならばCX400TORは旧CX400の進化版? 旧CX200のシャープさファンへの補填的モデル?
両方言えます。
しかしCX400TOURは、厚い分よく弾くかと言えば、そうでもありません。
厚さ23mmは、弾きより面剛性重視と受け止めるべきです。
歴代CX4.0〜CX400に私は疑問を感じていました。
「ハードヒッターでもない初級者にこの面剛性が要るの?」と。
CX400はCX400TOURであってこそのモデルだと思います。
軽量ではなくなり1mm薄くなったCX400TOURには適正な進化を感じます。
しかしCX400TOURをピュアドライブ的な彈きを担保として兼ね備えたボックス形状だとは考えてはなりません。
ガンガン叩きたい人向けのコントロール重視モデルです。
楽に飛ぶのはCX200シリーズです。
もちろんモチっとマイルドな飛びですが。
ここをご覧のお客様の関心はTTS-Ⅲ化したらどうなのかだと思います。
全CXシリーズに共通して、スウィングウェイトは低調です。
SX300シリーズのように上げてくるという期待は裏切られました。
そこはTennisTopiaSpecの出番です。
特に先端部の飛びの悪さが大幅に改善されます。
しかしチューンナップのご注文に追われて試打用の加工が追いつきません。
CX200OSとCX400ツアーだけ、試打用を臨時にTTS-Ⅲ化してみました。
臨時版はグリップ部のウェイトがTennisTopiaSpec本来の状態ではありません。
そのために強いずっしり感があります。
しばらく我慢してレッスン時に使ってみていましたが、我慢の限界が来ました。
試打用を張ったままグリップを手術しました。
フレームからではない加工にはデメリットがあります。
頭に染み付いた数値ではない加工推移は、些細な勘のズレを生みます。
その些細な差が、大筋では良いものの、イマイチを生んでいました。
張ったままからの加工にはメリットがあります。
フェイス加重の微妙な位置と量に何度も簡単に試行錯誤ができることです。
お陰で「CXシリーズはここにこう加重すべき」を確認できました。
一つ前のE ZONEの記事でもそうでしたが、僅かな差がイマイチを生みます。
このCX2機種のイマイチと感動との差って、わずか2g,2mm,2kg:㎠なんですが。
それだけTennisTopiaSpecの完成度は高いのだとつくづく思います。
CX400はTTS-Ⅲ化でかなりの性能UPがあります。
元がさほど特長的ではないため、普通に打っていると特段には感じません。
しかしストロークもサーブもフラットで叩いた時の手応えと打球速度には酔いしれます。
相手の強打を面で合わせた際のボレーのシャープさに酔いしれます。
相手の高速サーブをブロックした際の高速レシーブに酔いしれます。
そういう球を打つときには、高スウィングウェイトで武装した面安定性を頼もしく感じます。
CX200OSTTS-Ⅲは、スピン性能がファントムグラファイト107やG360+グラビティPROのTTS-Ⅲと良い勝負をします。
TTS-Ⅲ化で、ゆっくり振っても楽にベースラインまで球を運んでくれるラケットに進化します。
高く持ち上げたら跳ね方が秀逸となります。
一見威力が無さそうでも、相手が嫌な顔をして手こずるシーンに多く出くわすでしょう。
元スペックが低いものが多くいつでも供給できるとは言えませんが‥
けれどもファントムグラファイト107よりは供給は良好のはずです。
同じラテストスウィングウェイト測定器でも機器により数値は2〜3kg:㎠ズレます。
他メーカーの測定器だとラテストとは5〜10kg:㎠平気でズレます。
ラケットの性能はスウィングウェイトだけではない意味も含めて、偉そうですが自慢しておきます。
『TennisTopiaSpecは当店でしか作り出せない奇跡です』