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横糸のポンド数を指定してはいけない!!!

10年前に書いた記事に少し手を加えて公開し直します。

ときどき、こんなリクエストが寄せられます。
『縦50ポンド横45ポンドで張ってください』

これって『変形させてください』です。
張り機によって、同じ張り機でも載せ方で、適正な縦横のテンションは変わります。
適正とは‥‥「原形通り張るための」です。

原形通り仕上がる張り方を研究することは、店に課せられた重大な責務です。
その責務を果たせない店がほとんどですが。
研究して見つけた張り方でも、次の実行のバラツキで簡単にゆがみます。
・ラケットを固定する縦,斜め方向の治具の締め具合
・過重側のストリングチャックの滑り
・ターンテーブルのストリングクランプの滑り

変形は何が悪いか?
①2mm以上の変形は折れやすく、フレームの寿命を大きく縮めます。
②横方向のたわみが制限されて、ホールド感がなくなります。

メジャー大会のストリンガーは原形通りに張ろうと思っていません。
理由
①硬さの間違い防止を最優先して、間違うかも知れない横糸の加減をしない。
②ストリンガーが入れ替わるから、横糸非操作を申し合わせる。
③選手から横糸指定があることを前提に、勝手に操作しない。
なので、あえて変形を望むか否かを論じるのも無意味です。

プロの中には、横糸のポンド数を指定する場合があります。
理由
①本来のスウィートスポットの位置を変える目的で。
②大会会場のオフィシャルストリンガーが変形させて張るから、その緩和に。

トッププロなら‥‥
ラケットが折れても、何本でも支給されます。
張りが気に入らなくて即時張り替えても、ガットも支給されます。

お金持ちなら‥‥
ラケットが折れても、何本でも買えるでしょう。
張りが気に入らなくて即時張り替えにも、お金に困らないでしょう。

プロでもお金持ちでもないなら‥‥
横糸ポンド数の指定はタブーです。

テニスショップで「縦〇〇ポンド、横を△△ポンドで張ってください」と注文するのは‥
うどん屋に行って「昆布と鰹節の醤油を△△gづつ入れてください」とお願いするようなものです。
「ハイハイ」とその注文に応じる店だったとしたら、出汁を研究していないうどん屋です。

論外なのは、「縦〇〇ポンド、横を△△ポンドで張りましょうか?」
と尋ねてくる店です。
こんな店はすぐに出るべきです。
これって、原形通り張る技術の無い店の陰謀ですよ!
変形にクレームをつけられても、こう逃げられますから。
「はぁ?  ご指定のポンドで張ったまでですが」と。

ここまで読んでも、変形覚悟で、横糸ポンド数を指定したい方へ。
その望みは叶いません!!!!
ある店で、縦50ポンド横48ポンドで原形に仕上がるラケットがあったとします。
そのラケットを「縦50ポンド,横46ポンドで張ってください」と依頼したとしたら‥‥
張り機から外した瞬間『縦47,横49ポンドで張ったのと同じ』などとなります。
縦に縮んで横に引き伸ばされるから、当然です。

なお、当店ではヨネックスは例外扱いしております。
ヨネックスは角型ゆえに、ヘッド部を指で下から上に押すだけで上下にたわみます。
アーチ橋として作るべきところを平らに作った橋みたいなものなので当然です。
これを無理に1mmも変形させずに張ると著しく打感を損ねます。
よって1mmのヘッドのたわみはあえて容認しております。

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この記事を書いた人

代表のアバター 代表 テニストピア

ジュニア指導者とチューンナップ職人の二足のワラジを履く者です。

このブログは相乗効果でそれぞれの道を極めてきた道標です。

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