テニストピアSPECのご発注はこちら→ Click!

スウィングウェイトの誤解

複数本持っている場合、スウィングウェイトを揃えることは大切です。
しかし、スウィングウェイトに間違った認識を持たれている方が多いです。

間違いは、二つのリクエストの中にあります。
『スウィングウェイトを下げてください』
『スウィングウェイトを低い方の数値に合わせてください』

次の例外を除いて、このリクエストは不可能です。
例外とはa.〜f.です。

a. バンパーを外して、ガードテープに替える。
b. グロメットを独立グロメットに替える。
c. バンパーに穴を開ける。
d. ショート加工する。
e. グロメット穴と同様な穴をドリルで開けて追加する。
f. バンパーを外して、塗装をヤスリがけして削る。

f.以外は、実際に加工経験があります。
しかし、長ラケをショート加工する場合のd.以外は、お薦めできません。
理由は以下です。

a.は高い効果が上がりますが、耐摩耗性と耐衝撃性が落ちます。
b.はフレーム中央が1g軽くなる程度で、効果は期待できず打球感は硬くなります。
c.はトップなので、数kg:㎠下げられますが、見栄えと耐衝撃性が落ちます。
d. 高い効果を期待できますが、スウィートエリアが変わりバワーが落ちます。
e. 効果が期待できますが、剛性や耐久性が落ちます。
f. 効果が期待できますが、剛性や耐久性が落ちます。

ここで、基本的なことをお伝えします。

初級者モデルを除き、グリップには10〜40gウェイトが内蔵されています。
それを全摘しても、スウィングウェイトは不変か1~2kg:㎤下がるだけです。
内蔵ウェイトを増やしても、不変か1~2kg:㎤上がるだけで、例外的に下がります。
なぜなら、測定器の振り動作の中心ですから、振りに影響しません。

しかし、内蔵ウェイトの増減で、振った感じや打った感じは劇的に変わります。
それは重量もさることながら、静的バランスを大きく変えるからです。

バランスには三種類あります。
①静的バランス(カタログに記載のバランス)
②動的バランス(スウィングウェイト)
③体感バランス(実際に振って感じるバランス)

①はスロートを中心に天秤状に釣り合う点の、エンドからの距離です。
②グリッブ部を固定して左右に振る機械にかけた数値です。
③普通に打った感じですが、②のように振って確かめる場合もあります。

それぞれ支点が違います。
①はスロートで、テニスシーンには存在しません
②はグリップで、テニスシーンにそれだけで存在しません。
③は背骨や肩や肘や手首などで、連鎖されるもので、ショットにより変わります。

一番大切なのは③なのは言うまでもありません。
これは、重量と静的バランスが違うと、かなりフィーリングが変わります。
しかし、重量と静的バランスが同じでも、スウィングウェイトが大きく違うことは多々あります。

なぜか?
image

069670②

同じおもりを付けて直立しているやじろべえを思い描いてください。
おもりが支点から遠くても、近くても、イーブンバランスです。
でも、おもりが遠い方が揺れにくいですよね。

ラケットにしたら、スロート近くで釣り合っているラケットの方が振りやすいです。
でも、そんなラケットはボールの衝撃が強いし飛んでくれません。
トップとエンド寄りで釣り合っているラケットは振りにくいです。
でも、そんなラケットの方が断然バワフルです。

069670③

更におもりの重量の違うやじろべえと、重量の違うラケットとの関係も同様です。
軽いラケットは振りやすいです。
反面、打球は貧相で、スウィートエリアが狭く、ミスしやすいです。
重いラケットの方が振りにくいです。
反面、パワフルで、スウィートエリアが広く、ミスしにくいです。

結論は?
スウィングウェイトは、重量, 静的バランスとのアレンジの中にしか存立しないということです。
スウィングウェイトは、決してラケットの特質を代表する数値ではありません。

市販品は初心者や初級者でも買いやすいように、重量はロースペックです。
それゆえに、自動的に静的バランスはトップ寄りであり、扱いにくいです。
また、市販品のままでは、スペックのバラツキが大きいです。
特に、スウィングウェイトは汎用性が無く、公表されない数値なためバラツキが大きいです。

昨日バーン95を二本ご購入頂いたお客様の二本揃えチューンナップの例です。
元スペックでスウィングウェイト1kg:㎤違いを選びました。
重量と静的バランスの差は、3g,3㎜程度の差でした。
308.5g 321㎜ 290kg:㎤
305.6g 324㎜ 289kg:㎤
このままでも使えなくはない差です。
でも、お客様は私の薦めに応じて二本揃えを発注されました。

1kg:㎤の差の場合、そのままにする場合があります。
エンド端のウェイトの差で1kg:㎤違う場合があります。
その場合は振ったフィーリングに差はありません。
張り上げ後に、1kg:㎤差が無くなる場合もあります。

重量と静的バランスを整え終わって、振ってみました。
やはりスウィングウエイトの低い方は、何となく上の方が頼りない。
そこで、レッドテープをわずか、バンパー内に内蔵しました。
308.5g 321㎜ 290kg:㎤ → 308.2g 321㎜ 290kg:㎤
305.6g 324㎜ 289kg:㎤ → 308.5g 321㎜ 290kg:㎤
振った感じも揃いました。

このお客様、4月にもう一本追加予定です。
それも3スペックを1以内に合わせられるよう、チューンナップ課程のデータを収集してあります。

某メーカーは500位以内じゃないプロにも、ラケット選定に際して、わずかなスペック違いを50本近く送ってくるそうです。
その中からベストなものを選ぶと、その後いつ発注しても、ピッタリそのスペックのラケットが届くそうです。

そんなプロではない選手や愛好家は、専門店のチューンナップ‼︎
精度の高いチューンナップを知ったら、二度と「つるし」には戻れません。

他店で購入されたラケットも、極力1以内のチューンナップに努力します。
しかし、3スペックの組合せの制約で、必ずお約束するものではありません。
1以内を望まれるなら、当店で元ラケットをセレクトしてからをお薦めします。

重量バランス調整には、レッドテープや樹脂による加重と、ウレタン再成型を伴うものと、ウレタン部分切削法があります。
それぞれのモデルの構造と希望されるスペックにより、手法が変わります。

なお、ウレタン再成型だけでは、1以内は実現できません。
ウレタン再成型した場合でも、部分切削法の併用を要します。
部分切削法は強度は元より上がります。
切削痕は、専用樹脂で宮大工級にきれいに埋め戻します。

当店ご購入ラケットの二本揃えは7,000円のところが3,500円です。※税別
7,000円出しても、安いです。
そう豪語するだけの仕事をしています。

他店でご購入のラケットをチューンナップに出される方へ
ご自身でスペックをご指定ください。
スウィングウェイトは測定器により2〜4kg:㎠前後します。
1g, 1㎜単位の数値指定の場合、お預りしないと確約致しかねます。

ラケットと重量バランス調整を同時にご発注の方へ
まず二点ご発注ください。
①【WEB shop】→【チューンナップ申し込み】
→下のグレー画面の【バランス調整】→入力(ラケット同時購入にチエックを)
②【WEB shop】→【チューンナップ申し込み】→下のグレー画面の【チューンナップ用レザー】→レザーの選択
それが完了したら、ラケットのご発注の仕方をご案内します。
以上完了したら、推薦スペックと推薦加重, 減量を入念に相談させて頂きます。

この記事が気に入ったら
いいねしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

\ 重たいのに重く感じない振り心地 /

こんなお悩みはありませんか?

  • 球に勢いがない
  • 本番に弱い
  • ナーバスになると全然振れなくなってしまう
  • 相手のボールに撃ち負けてしまう

これらの悩みはラケットに問題があるかもしれません。

この記事を書いた人

代表のアバター 代表 テニストピア

ジュニア指導者とチューンナップ職人の二足のワラジを履く者です。

このブログは相乗効果でそれぞれの道を極めてきた道標です。

コメント

コメント一覧 (1件)

目次