スウィングウェイトの誤解を2015/03/24に書きました。
誤解している方はまだまだ多いです。
多いのは当然です‼︎
その種明かしにQ&Aをどうぞ。
Q.1 どんな人が誤解するの⁇
A.1 グリップに30gも40gも鉄棒や鉄角材が埋め込まれていること知らない人です。
Q.2 A.1のウェイトは、グリップのどこに入れてあるの?
A.2 グリップのあちこちです。
Q.3 なぜあちこちに入れるの?
A.3 フェイス上部が重ければエンド寄りに、フェイス上部が軽ければスロートと寄りに入れます。
Q.4 フェイスの重さってバラツキがあるの?
A.4 はい。そのバラツキがスウィングウェイトのバラツキです。
Q.5 スウィングウェイトは、なぜバラつくの?
A.5 FRPは繊維に樹脂を含浸させて熱成型しますが、含浸と圧力の兼ね合いで比重も体積も変動します。
A.5を補足します。
ラケットの加圧は金型と金型の間でプレスされるのではありません。
外:金型 & 内:超スカスカ発泡ウレタンの外圧式か、外:金型 & 内:ナイロンチューブの内圧式です。
樹脂浸潤差に加えて、こんな頼りないプレス方法ですから、空隙率は容易にバラツキます。
空隙とは空気てす。
次の工程で、フェイス部の重量バラツキをグリップに仕込むウェイトの量と位置で調整します。
だからウェイトの位置があちこちになるのです。
更にウレタン成型は金型からの溢れ出しの差で、スカスカになったり緻密になったりします。
こんなバラツキの中から、15g,15mmの範囲から外れそうな物を没にして、仕上げて出荷します。
結論としてのQ&A。
Q.6 重量と静的バランスとガットとテンションが同じなら、同じ打球感になりますか?
A.6 いいえ。トップとエンドで釣り合った315mmとスロート付近で釣り合った315mmは別物です。
人形も横棒も重りも同じなら
左:重量と静的バランス同じで、スウィングウェイト大
右:重量と静的バランス同じで、スウィングウェイト小
この一方の重りが30gも40gもある訳ですから、そりゃあ、別物量産体制が確立しているわけです。
吊るしで同じスペックを買ったからって安心できません。
A.6に衝撃的事実を添えておきます。
スウィングウェイト差の大きい同じ機種をラテストフレックステスターにかけます。
スウィングウェイトの低い物はしなりが大きいです。
お解りですよね!
スウィングウェイトの低い物は、樹脂が少ないか、体積が小さいか、空気が多いわけですから。
スウィングウェイトの数値は上げられますが、剛性は上げられません。
※あくまでも10kg:㎤以上の差がある場合です。
※2〜3kg:㎠の差なら、剛性に差は出ません。