ブレード9816×19V7.0を2本チューンナップです。
片やTTS-Ⅰ化、片やTTS-Ⅱ化です。
双方ウレタン再成型を伴います。
しかし先々の同スペック揃えを視野に入れて、元スペックの近い物を選定しました。
①305.1g 320mm 292kg:㎠
②305.6g 321mm 293kg:㎠
ほぼピッタリなので中身も同じと期待しますよね!!
しかし中身はこんなに違います。
グリップ部のFRP形状が違います。
凹型部はその昔、WILSONがウェイトを仕込んだ穴です。
Q1 なぜ凹型になっているのか?
A1 フレーム中心軸に近いところにウェイトを仕込むためです。
Q2 中心軸である意義は?
A2 加重配置の表裏バランスと曲げモーメントに対して中立軸に近いこと。
この凹部の位置の差は剛性の差につながり、しなりに僅かですが影響します。
グリップ部もしなりますからね!!
FRP断面形状が違う場合もあります。
しかしメーカーはそんなことを気にしていません。
アメリカ人の発想(設計)か、中国人の独断(施行)かは知りませんが。
それより調整用に貼り付けられている鉄板の位置と量がこんなに違います。
しかも片面にのみです。
曲げモーメントの中立軸も、加重の均等配置もあったものではありません。
①は2枚で約17g(写真上)
②は1枚で約10g(写真下) なおかつエンド穴からシリコンが3g注入
しかし、吊しのまま使うお客様にはこんな違いがあるのはショックでしょうね。
ピッタリの数値にこだわって選んだのに、持ち感,振り感,打感が全然違うってことが起こり得るのです。
この写真を見ただけで、コペルニクス的転回が起こりませんか⁈
「チューンナップなんて邪道で、手を加えないのが最高なんだ」って考えにこそ邪道性があると。
このラケットのお客様はご安心ください。
当店のウレタン成型は緻密で強固なため、FRPの剛性差を0とは申しませんが無視して頂けます。
調整用加重は両面均等に配置します。
打感を変えるシリコンは決して使いません。