【ショップ】重量バランス調整についてご注意ください‼︎の件を追記します。
チューンナップご検討の方に参考になりますから。
データだけの公開では、どのチューンナップか特定不能ですから。
①チューンナップ対象品 314.3g 311mm 280kg:㎠
②目標とするお預かり品 314.7g 315mm 288kg:㎠
この機種の吊しの動的バランス(swing weight)は軒並み、290kg:㎠台です。
中には300kg:㎠近いものまであります。
①は明らかに①のフェイスが軽いわけです。
これでは②より打球時の衝撃が強く打球も死にます。
なのに
①はフェイスが軽いのに重量が仕様の平均値。
①はフェイスが軽いのに静的バランスが仕様のほぼ平均値。
しかし①のバンパーやグロメット内に加重するだけでは、①の重量が②よりアップします。
①のグリップからウェイトを減じてやらなければなりません。
どこから何g抜くか?
フェイスへの加重位置と量との兼ね合いで考案します。
ウレタン再成型無しの特別な技法を駆使してチューンナップが完了しました。
①チューンナップ対象品 314.3g 311mm 280kg:㎠
②目標とするお預かり品 314.7g 315mm 288kg:㎠
①のチューンナップ後 314.5g 315mm 288kg:㎠
重量が0.2g差のみで、静的, 動的バランスはピッタリです。
しかし。
お客様の手元に届いてのご感想が「①がちょっと先が重い」から始まって色々と‥‥‥
奇しくも同時に別のお客様のチューンナップがありました。
今年3月、2.9g差,1mm差,1kg:㎤差の元スペックをセレクトして二本揃えでお買上頂いたものです。
今回、送られてきた状態も二本ピッタリでした。
ガットが張ったままであり、『是非ご自由に試打確認して頂いて、ご精査頂きたい』とのことでした。
メールを見て直ぐに併設コートへ。
一方がわずかに先端部でより振動を感じます。
「元スペック僅差」&「チューン後スペック差ゼロ」でもこうです。
微調整用ウェイトを装着して解決策を探りました。
バンパー内のウエイト位置と量を加減してみました。
グリップ内のウェイトの位置を加減してみました。
果たしてどうでしょう??
また違うかも知れません。
ドキドキです。
でも、そのお客様は私に全幅の信頼を寄せて頂いております。
電話があれば嬉しいと思いこそすれ、その逆は一度もありません。
その方のカルテは16となりました。
ここで、本校ジュニアなら違います。
ガットを張って隣のコートに出て『貸してみぃ!』です。
私が、振りや振動やスウィートエリアを確かめます。
不一致があれば加重位置を納得のいくまで再調整します。
同僚ジュニアとの1セットマッチでラケットも分析します。
大会同行し、ラケットに起因する不具合も観察します。
一般のお客様にはそれができません。
しかし、やることは同じ!
不一致があれば、再調整の繰り返しです。
宅配便が間に入りますが。
もちろんジュニアも毎回料金は頂きます。
父兄の中にはこんな不満もあろうかと思います。
「またチューンナップ料金の請求か!」と。
しかしある父兄の感想はこうです。
「ラケットをここまで見てくれるコーチは他には絶対居ないはず! とても感謝してます!」と。