以前の記事を再編集しました。
『他店より、当店の張りが硬い』
その原因に次の二つあります。
《原因1 他店がテンションロスがある》
張り機には、滑る箇所が三つあります。
①荷重装置部分のやすり状の挟み込むパーツ
②伸ばされたストリングを固定するクランプのやすり状パーツ
③②のクランプを張り機本体と固定するレール状パーツ
一般的に、これらの滑りは結構発生します。
そして、5ポンド位は簡単にロスします。
常に張り機にメンテナンスを加える必要があります。
高額張り機でも、3年もすれば少し滑ってきます。
当店はテンションロスを究極に抑えるため、約3年毎に高額な張り機を二台買い換えています。
逆に言えば、当店の旧張り機は中古として売りに出しますが、10年も使ったものと違って高品質で掘り出し物です。
《原因2 他店が丸く変形させて張っていた》
写真のビュアアエロフレンチ色は、かなり上部が膨らんでいました。
横糸がゆるゆるで、張り機から外した瞬間膨らんだのです。
全長も、本来685mmに対して681mmしかありません。
こんな張り方をされたラケットは5〜6ポンド低いのと同じです。
「横に膨らむ=縦に縮む」ですから当然です。
こんな張りと比べたら、当店は硬いです。
写真のラケットのフレーム上部を押したら、ブヨブヨです。
これではボールをつぶせません!
半径の二乗でパワフルで、なおかつ硬い、トップ寄りで球をつぶすからこそ、スピンがよく掛かるのです。
こんなゆるゆる基準で、張りが硬いと言われても‥
こんなブヨブヨ基準で、フレーム上部が硬いと言われても‥
それは当店にとっては、褒め言葉です。
【注意1】
こんな風に変形張りされたラケットは折れやすくなります。
大人がフレームを立てて、上に乗っても、ここまで縮みませんから。
張っただけで、破壊強度ぎりぎりの応力が発生している場合があります。
【注意2】
しばしば横糸のテンションを指定されるお客様がいらっしゃいます。
原形どおり張って欲しい場合は、絶対に指定しないでください。
そのことは、以前にこちらに書いております。
お客様『横糸を◯ポンドでお願いします。』
店『はい、かしこまりました。』
このような店は、張りを全く理解していない店です。
【注意3】
当店は1mmも変形させないことを謳っています。
98%の機種は変形0mmで張上ます。
※へたりや変形張り歴のあるラケットは変形します。
しかし、2%の機種については‥
「1mm弱は1mmもに抵触しない」
と解釈して1mm弱の変形を許容しております。
理由は設計上、原形通り張るのが困難なラケットが存在します。
新Eゾーンは2%に入ります。
新EゾーンはEゾーンDRから改悪されました。
社長の鶴の一声で無理に四角くさせてしまったとの噂です。
そのために変形0mmは不可能です。
このラケットは他店では3〜5mmの変形は日常茶飯事ですが、当店では1mm弱の変形は生じます。
旧ピュアアエロは、発売から一年は2%に入っていました。
張りの実験を百回以上繰り返したはずです。
試打用を張っては切り張っては切りと‥
そうやって今では、1mm弱の変形も、その後制覇しました。
【注意4】
張りが硬いからと上手い店であるとは言えません。
むしろ下手な店である場合が多いです。
原因2の反対で、縦に細長く変形させた張りは硬いです。