TennisTopia SPEC-Ⅲは「重いのに重く感じない」を追求しております。
しかし、中には重く感じる場合があります。
移設不可能なFRP一体成型ウェイトが悪さをしている可能性のあるケースです。
他方、先端ヒット時に不快な振動や球伸び不足が発生する場合があります。
持ち感や振り感の軽さを追求し過ぎた可能性のあるケースです。
まさに当店併設スクールの受講生のラケットに、その二極が発生しました。
二本同時注文で、元スペックも近く、荷重と移設のウェイトの位置と量はほぼ同じです。
しかし、あえてポリとマルチに張り分けて適正を試していたので、そのせいか不明でした。
しかし前者については、大事な大会のために、先月メスを入れていました。
本来なら手をつけないFRP一体成型ウェイトを約1.6g、独断で削減しました。
これは本人からすれば、私の受講生であることの利点です。
前の記事にも書きましたが、職人の勘による実行を一任して頂けますから。
そして、それだけで先重感はずいぶん解消していました。
不快な振動については、今月に入って同じボリに揃えてもその傾向があり、本日微調整を英断しました。
静的バランスを3mm上げることとなったそのチューンナップは、明らかに不快な振動を消しました。
これも私の受講生であることの利点です。
私にすれば、貴重な臨床試験でもあります。
私はこうしてスキルを磨いてきたのです。
このようなケースはFRP一体成型ウェイトがからむため、予測が困難です。
ましてや張り上げたラケットを打ってみることなど許されない一般のお客様や、フレームだけでお渡しする場合に至ってはなおさらです。
気になる方は張り上げたままで、チェックをご依頼ください。
チェックのみでも送料と試打検査費用500円/本は申し受けます。
決っして施工不良ではありませんから。
チューンナップにも吊るしにも、この種のことはラケットには付き物のことですから。
このような記事を書くと、過剰反応される懸念もあります。
先日、FRP一体成型ウェイトの位置も量も調整用ウェイトの位置も量も、ほぼ変わらない5本揃えのTTS-Ⅲの違和感の調整を承りました。
本件に該当する症状は皆無でした。
三点を除いて、手の施し用が無いものでした。
①変形張上 3mm
②砂の混入 0.4g
③全長バラツキ 1mm
他よりパワフルに感じるというそのラケットは3mmの変形とバンパー内への砂の混入が重なり、他より2kg:㎠高くなっていました。
他の物には、受注時期のズレから生じた測定器誤差で−1kg:㎠がありました。
そこへ−1mmの全長バラツキも絡んでいました。
原則的に全長のバラツキはTennisTopia SPEC化時は修正します。
しかし、エンドキャップ脱着がエンド端のウレタン強度を下げる機種があります。
そういう機種は修正をあえて見送ります。
スウィングウェイトを合わせていれば、1mmは普通は感じませんから。
しかし変形張りによるスペック変動は結構感じます。
本件はそれが他の要素をクローズアップしたことになります。
今回5本のそれらの差を全て解消するチューンナップを実施しました。
当店の原型通りの張りもお試し頂きました。
ご感想はどうでしょうね。
実はもう手の施しようが無いのですが。