『愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ。』
ビスマルクの格言として有名ですが‥
多くの賢者が同じ意味のことを語っています。
長年ジュニアテニス界を色んな角度から観てきた私はこう換言します。
『親は巷談と経験に学び、師は講習と歴史に学ぶ。』
※巷談(こうだん)とは巷の噂話や井戸端会議
※師とはコーチ
※講習とは指導者研修の講習会
多くのテニスペアレンツは、試合会場での井戸端会議を通じて見識を高めます。
熱心なテニスコーチは、講習会を受けて多くの教訓を学んで指導力を高めます。
前者は子供の現在までの経験に留まり、後者は数多くの何世代もの歴史を蓄えています。
この差が時として「高師浜線現象」を生みます。
南海本線も高師浜線も羽衣駅発下り電車は、しばらくは和歌山に向かう気分です。
しかし高師浜線は、徐々に右に逸れて二駅で終点となります。
ある親子は高師浜線に乗り間違えてしまいます。
最初は私と同じ方向を向いてスタートします。
しかしある親が率いたジュニアはあっちへ行ってしまい、早くに成長が止まります。
※この記事は在校生保護者向けを主旨として書いていますのでローカル色をご了承の程お願い申し上げます。
私は試合会場滞在中、親同士の会話に耳をそばだてています。
関西トップクラスの他校ジュニアの親との対談もよくやりました。
何十年と大会同行していると傾向が明確化します。
それを講習会での学習や私の歴史と比べると‥
下位ジュニアの親の井戸端会議の多くが、正反対であり間違っています。
中堅ジュニアの親の井戸端会議には、正反対や間違いが含まれています。
トップジュニアの親との対談にも、正反対や間違いはあります。
こんな愚かな巷談に毒されていたら‥
素質あるジュニアの成長に大ブレーキがかかります。
優れた指導者が悪評に捻じ曲げられます。
一件一件、否定の辻説法をして回りたい衝動に駆られます。
お節介も甚だしいので、やりませんが!
指導の第一線を退いた私は今、本校レッスン参観の保護者相手にテラス説法を展開しています。
そこで私は、正しい道を説き、歴史の成功例と失敗例を語っています。
聞かれた方は良いテニスペアレンツに近づくことでしょう。
テラスにいらしても、私が工房にこもっていて、すれ違いの場合もあるでしょう。
そんな保護者におかれましては、私を捕まえて話を聞き出してください。
それもできない保護者におかれましては、ご用心!
我が子の現在までの経験から導かれる答や、テニス会場で仕入れた情報には、毒が入っているかも知れないことを。