SX600(2022)ウレタン再成型版G5TTS-Ⅱのお客様からご感想を頂戴しました。
ご本人の承諾のうえ引用させて頂きます。
《以下引用》
旧SX600TTS-Ⅱ G5 との比較でレビューをお送りします。
ラケットを頂いてから30セット程ダブルスを致しました。
1.結論から申し上げると少し縦長になったからか、各ショット共威力が増し、ボレーのガシャリも減りました。
2.スウィングウェイト微調整用レッドテープの威力絶大そのまま打った時と装着した後では全く別のラケットになりました。
3.ネック部分が細くなったので、振り抜きが良くなりサービスの威力が増し、また右手(私は左利き)で持ちやすくなった事でラケットの取り回しが良くなりました。
4.スピンを謳っていますが、コントロールが良くオールラウンドに扱いやすいラケットだと思います。67歳左利き週5日ダブルスプレーヤーの頼りになる一本です。
《以上引用》
このチューンナップはこう思いながら作業を進めました。
「先軽に仕上がりそうなので、もう少しスウィングウェイトをUPした方が良いんだけどなぁ」
しかし静的バランスが前回より1mmプラスとなりそうなため、ご提案しませんでした。
ちなみに重量と動的バランス(スウィングウェイト)は全く同じに仕上げます。
それで静的バランスが1mm高いのなら先重?
普通はそう思いますよね⁉️
しかし現実は反対の場合があります。
増田仁孝が提唱する『静的バランスは数値でなく位置』の法則に合致した結果です。
※位置とはグリップ内蔵ウェイトの位置
ラケットがトップからエンドまで同比重の均質素材ではなく、体積分布も大差があり、特にグリップ部には鉄の塊がいろんな位置に仕込まれているのですから、当然だと思いますが。
そしてグリップ内部には移設が比較的容易なウェイトと困難なウェイトが存在します。
容易と言う方も、熟練のなせる結果であり普通のショップ店員には不可能なことです。
困難と言う方も、百例ほどこなしておりますが自分でも不可能に近いと思う困難さです。
なので特別な理由が無いとお薦め致しません。
失敗しないとは言え、大門未知子のように数千万円もらえるわけではなくて、このオプション料金はその一万分の一のギャラですから。
その摘出困難なウェイトの位置が前回のラケットはエンド端から40〜75mmにあり、今回のラケットは15〜40mmにありました。
この差の要素が他の要素を差し置いて前面に出て来たため、数値上は1mm先重なのに先軽になったわけです。
スウィートエリアには三大定義(最大パワー、振動ノッド、センターオブパーカッション)があり、そこには重量、静的バランス、動的バランス(スウィングウェイト)の数値がしっかりと関わります。
しかし重要なのは感覚です。
張り上がった際の、持ち感と振り感と球伸び感です。
なので最近TennisTopiaSpecは張り上がり後の打球テストを強調してお薦めしております。
打球テストを実施すればするほど、その重要性を強く感じております。
なにしろTennisTopiaSpecの持ち感、振り感、球伸び感を日本中で誰よりもよく知っているのが私と弟子の長男ですから。
その検証を経た物と経ていない物の差は大きいと思います。
今回のSX600TTS-Ⅱの打球テストのコメントに私はこう記しておきました。
「打球テストの結果は、不快な振動無く、球伸びはまずまずです。少しスウィングウェイトを上げたら球伸びが良くなりスピンの掛かりが良くなりました。その点は微調整用レッドテープでお試し下さい。」
微調整用レッドテープを貼り付けての納品も考えたのですが、ご相談の段階でのやりとりから判断して、前回の3スペックに極力近いことを最優先して貼り付けませんでした。
しかし結果的には同梱のレッドテープ内貼りで良い結果が得られたとのことです。
その後お電話も頂戴し、微調整用レッドテープを追加貼り付けした方が良かったとのことでした。