みなみがピュアストームに持ち換えて、おおむね好調ながら
1st.サーブ率は、プレステージMID時代に遠く及びません。
この一月半、私はレッスンで種々の手法をみなみのサーブに施して来ました。
個人レッスンでは強烈サーブ連発なのに、試合ではフォールト連発。
こんな場合
メンタルや身体能力のせいにするのが普通のコーチでしょう。
ラケットのせいにしたら怒るのが普通のコーチでしょう。
私は、しばしば原因をラケットのスペックに求めます。
私の個人レッスン時の生徒の様相は、根拠の無い自信を創造するための仮の姿であり
スペックのアンフィットが、生徒がそれを裏付ける努力をする練習の際に、ブレーキとなることが多いですから。
木材工学専攻と建材メーカー開発部門勤務で培われた実験計画法的探究心の発動です。
一週間前、力み勝ちなみなみのために、私はエンドに脱力を生む細工を施しました。
それは、より高速なプロネーションを生み出しましたが、再現性がイマイチでした。
続いて、重量バランスの仮調整の中にプロネーションの変化を観て行きました。
エンドの細工と加重の正負の効果の相殺性に、私は内蔵ウェイト摘出の有効性を確信しました。
環境問題による内臓ウェイトの鉛から鉄への移行は、加工を阻みます。
しかし、私の生来の手先の起用さの前に不可能はほぼありません。
火曜日、仮説を実証するために加工した一本を手にしたみなみは
フラットサーブたけでなく、スピンサーブも入る入る!
おまけにボレーもストロークも絶好調!
もう一本は内蔵ウェイトの位置が異なるため、摘出量の調整に四苦八苦しましたが、重量,静的バランス,動的バランスを合わせました。
ここには、ロング加工技術,ウレタン再成型技術が欠かせません。
それらを授けて頂いたエディの伊良原社長には心から感謝します。
あの技術は、こんな形で日本のテニス発展に寄与するのです。
(言い過ぎですね。私は日本のテニスを語るまで至ってませんから。)
ここで、2013年5月11日の記事 に寄せられた疑問の声にお答えします。
Q ラケットって重さやバランスに差があるのですか?
A 重量で約15g バランスで約15mmバラツキがあります。
この差だけでもプレーに影響しますが、動的バランスのバラツキがクセ物!
同じ機種でも一本一本異なる部位に、鉄板や鉄芯が内臓されています。
時にはエンドから熱可塑性接着剤を注入してあったりします。
これらは、重量と静的バランスが揃っていたとしても、動的バランスに大きな差をもたらし、複数本中の一本の不調を生みます。
この記事は、テニス専門店テニストピアの宣伝を兼ねて鼻高々モードで書いています。
なお、この加工はウレタンの部分切除によるウェイトのピンポイント除去法を採っているため、ウレタンの再成型は行っていません。