ゲームセット後、相手と握手とともに『ありがとうございました』
これはマナーだけではありません。
セルフジャッジの試合では試合終了を定義づけるルール上欠かせない行為です。
コートを出たとたん、相手の親に掛け寄り『ありがとうございました』
これは約十年前は無かった光景です。
私の記憶では、関西では京都からそれは始まり、あっという間に広がりました。
(どこが起源だかは分かりません)
なのになぜ、テニスの歴史の長さとは対照的な短かさで
近年、こんなに流行したのでしょう?
低年齢クラスの加熱と大会会場の親の社交場化が原因だと私は考えています。
「親あっての子の試合」「親あっての大会会場」
てな空気が低年齢クラスの会場には流れています。
そんな親は、相手に挨拶するなら『相手の親にも挨拶しに行かんかえっ!』
って考えに至ったんでしょうかねぇ??
でもその行為。
決して礼儀正しいとして歓迎されているわけではないことを知って下さい。
長年のジュニア界の変遷とルールに通じた私は
『わざわざ挨拶に来る筋合いではないよ!』
『間違った習慣を広めないで!』
と心の中で大声で叫びながら
腹話術のような挨拶を返さなければならない屈辱感に悩まされます。
同様の親の声も、私の耳に届いています。
中には、いんぎん無礼だとの声も届いています。
また、相手のコーチらしき人の前を素通りで
相手陣営の親に駆け寄って挨拶って光景もよく目にします。
親同士の社交が大切な人には、コーチは無視していいのかも知れませんが、親に挨拶にさえ来なければ、コーチに失礼は発生しなかったわけです。
挨拶が大切とするならば、この方々を外して良いですか?
おじいちゃん,おばあちゃんらしき方。
気にならないようにと、コートの反対側の防球ネットの裏から覗いていた親やコーチ。
近くで見てられないと、数面離れた所から見ていたそれらの方々。
遠くまで挨拶しに行っていたら・・
全ての関係者に挨拶巡りしていたら・・
年長者や師弟関係の優先順位まで配慮して挨拶巡りしていたら・・
勝者なら、直ちに本部に報告に行かなければならない規則に反します。
授業参観では子対親の存在価値は、100対100でしょうが、テニス観戦では、100対0です。
『親もコーチも居ない思って全て自分一人で解決しなさい』の根本精神が、テニス規則を貫いているからです。
私は、大会会場の『親は居ないのだ』をもっと実践すべきだと考えています。
それには『相手の親に挨拶に行きなさい』は反します。
以上の観点から私は、当ジュニアには、全ての方々を代表して相手選手と『ありがとうございました』と握手すれば良いと指導しています。
親同士やコーチとの挨拶も、子供達への模範となるように、特に親しい場合を除いて、しないよう要請しています。
私にとって、親やコーチへの挨拶という流行は、断固、断ち切らなければならないchain mail です。
挨拶されなかった方々におかれましては、何卒無礼とお思いにならないことを切にお願い申し上げます。