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【歴史】スクール日本一第一号

1999年8月。
森美紀は全日本ジュニアにダブルスのみに切符を手にしました。
私は妻と長女の名恵と門下生の小南ちあきを率いて一回戦か二回戦だけでも晴れ舞台を見届けようと有明に向かいました。

パートナーの竹本みのりさん(江坂テニスセンター)は、前衛はボレーに自信が無くてサービスラインに留まるものの、後衛は鉄壁のストロークを誇りました。
美紀は、ストロークは荒いがサーブとネットプレイの破壊力抜群です。
そんなチームが大阪関西で勝てても、全国でどこまで通用するか全く不明でした。

二泊分だけの荷物を小型のキャンピングカーに詰め込んだ旅は、嬉しい誤算と雨で、四日に延びました。

ベスト8までなんとか進出したものの、踏み込むことが武器の美紀のレシーブはミスして踏み込めず、踏み込めないことでミスが出る悪循環に陥りました。
QFに向けて会場の貸コートを確保して調整しましたが、カゴボールがないので効果も上がりません。

そこでそれ以降の試合を、私は美紀にレシーブラッシュを命じました。
しかし、それが見事に的中。
観戦に来られた植田実氏や福井烈氏など強化コーチが、美紀のレシーブラッシュにのけぞって感心されているシーンは、今でも脳裏に鮮明です。

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その後SF,Fと快進撃で日本一はもたらされました。

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夢か現実か区別できずに表彰式を待っていた私に、歩み寄って来られたは植田実氏でした。

植田氏の開口一番は
『よくここまで育て上げられましたね』
私は憂いの言葉をお返ししました。
『ダブルスしか出られてないんですよ』

植田氏の言葉が続きました。
『シングルスで勝てていないのにダブルスで勝てているのは多彩なテクニックを身につけている証拠ですよ』

それまでの苦労の全てが吹き飛ぶ、至福のひとときでした。

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この記事を書いた人

代表のアバター 代表 テニストピア

ジュニア指導者とチューンナップ職人の二足のワラジを履く者です。

このブログは相乗効果でそれぞれの道を極めてきた道標です。

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