ファントムグラファイト107TTS-Ⅲのお客様レビューをご紹介します。
ご本人の承諾のうえ、引用させて頂きます。
《以下引用》
注文させて頂いた『ファントムグラファイト107 TTS-Ⅱ レザーグリップ仕様』昨日無事届きました。ありがとうございます。今日初めて打つ(テニススクールで1時間半程)ことができたので、僭越ながら感想を書かせて頂きます。まず特に感じた事を箇条書きで書きます。
1. ボールの伸びが半端ない
2. ストロークでのグルーピング(集弾性)が高い≒コントロールが異常に良い
3. 面の安定性が非常に高い
4. 体のある部位が局所的に疲れることがない≒筋力的にいつもより疲れが残りにくい
5. ストロークで手加減(球威の調整)がしにくくなった
6. サーブの確率が上がり、スピンサーブなどの比較的当たりの薄い球種も威力が出るようになった以下に各項目についてそれぞれもう少し詳細に書かせて頂きます。
まず1.のボールの伸びについては本当に驚きました。テニススクールでの最初のアップの球出しの時ですが、まず打ったボールの落ち方(落下の角度)が今までと全く異なり急激に落下しました。正にエッグボール。そこからバウンドして全く推進力が衰えずコートの後ろにある壁に突き刺さりました。『えっ!その着弾地点で後ろの壁にノーバウンドで行くの!?』って感じでした。
2.については明らかにコントロールがよくなり、ボールの集弾性がアップしました。今までは例えば20球ストロークで打って着弾範囲が1.5メートルの円に収まるといった感じが、1.0メートルの円になるといった具合です。また、連続して打つ回数が増える程、このラケットのありがたみが分かりました。30球以上連続で打っても球威とコントロールが安定し、衰えることがありませんでした。
3.の面安定性についても驚きました。自分は細めのグリップで使用する為、オフセンターでヒットしてしまうと手の中でグリップが半回転ないし一回転してしまう事が多いのですが、今回の1時間半の中でオフセンターでヒットしてもそれが一度もありませんでした。またそのような時に以前よりもコートに何とか収まる確率が上がったように感じました。
4.はテニススクールが終わった後に感じました。今回のテニストピアスペックは、今まで使っていたラケット(カタログスペック305g)と比べると約25gもウエイトがアップしているのにも関わらず、いつも疲れが溜まって違和感(筋肉痛)が出る前腕に違和感が出ませんでした。その代わりに使う部位が変わったのか背中の周りの僧帽筋や大円筋に筋肉痛が出ています。これはラケットが重くなった為、前腕のような小さな筋肉だけに頼るのではなく、より大きな背中周りの筋肉もより使う体の使い方になったものと勝手に解釈しています。また疲れが残りにくくなった要因として自分が思うにラケットが重くなった為、テイクバックまで(重力に逆らってラケットを持ち上げる時)は今までより筋力を使っているが、その後の特にインパクト直後からフォロースルーまではほぼ力を必要としない(勝手にラケットが走ってくれる)ので、トータルで見た場合に今までより筋力を使っておらず、結果として疲れにくくなったものと思います。
5.は慣れの問題かもしれませんが、テニススクールでこのような事がありました。ボレストの練習の時に、私がストロークで相手がボレーしかも相手が初中級程度の女性の時にある程度手加減して打とうとしたら、ネットミスやオーバーなどのミスが多くなってしまいました。ボレーで返ってくるタイミングが早く、また比較的球速が速いボールを遅く返球してあげるという事が難しく感じました。多分慣れの問題かと思います。
6.のサーブについてチューニングによってラケットヘッドが出やすくなったという事と、スイングウェイトがアップしたことによる相乗効果だと思います。また、サーブの時に心配していた振りにくさ(重さ)は特段感じませんでした。
兎にも角にも今回このラケットには驚きを隠せざるを得ません。購入して正解だったと思います。
ただ1点だけ悩みとしては、今後吊るしのラケットは物足りなくて間違えなく使えなくなるという事だけですね。今回、私が選んだファントムグラファイト107が元々スイングウェイトが高い個体が多くないという事があり、TTS-Ⅲ化には至りませんでしたが、次回新たに別のラケットを購入させて頂く際は是非TTS-Ⅲを味わってみたいと思いました。長文・駄文失礼致しました。今後とも宜しくお願い致します。
《以上引用》
このラケットのチューンナップは苦労しました。
元スペックのスウィングウェイトが低く、バンパーが超スリムな機種だからです。
TTS-Ⅰの仕込みですら張り上げるとバンパーがわずかに浮き上がる場合があります。
張ってから判明するため厄介です。
許容範囲超えだと判断して貼り直したこともあります。
このお客様も一度はお断りしよう思いました。
しかし壁が高いほど匠としては立ち上がりたくなります。
他の機種で導入実績のあった加重方法の試作写真をお送りしてそれでご納得頂きました。
その点はクリアしました。
しかしまだまだ加重が足りません。
両サイドのウェイトの仕込みも高度な技を要します。
しかしそこは私が頑張ればす済むことです。
次の難問は本革仕様です。
この機種は本革仕様にすると先重感が出る場合があります。
そこはグリップ部の事前リサーチでTTS-Ⅱならある程度クリアできる手応えがありました。
しかしそれをベターにした要因に「できるだけ太くならないように」がありました。
こんな場合本革レザーの在庫を多数積んでいることが武器となります。
重量バラツキの中から最軽量の同じ重さの固体を見つけました。
お陰で、先軽と細めが見事に実現しました。